痔核根治術/痔ろう根治術


痔の種類

痔核

痔のなかでもっとも多い症状。
便秘、下痢、いきみの繰り返しなど肛門に強い負担がかかることで、肛門を閉じる役割をするクッション部分が腫れ、大きくなると肛門から脱出する。
直腸側のクッションが大きくなった内痔核と、肛門部分のクッションが大きくなった外痔核とがあるが、痔核とは通常、内痔核のことを指す。

痔ろう

肛門の皮膚と直腸粘膜のつなぎ目の弱い部分(歯状線)から下痢などが原因となり細菌が入り込み、肛門の周囲に膿が溜まった状態を肛門周囲膿瘍という。
この膿瘍が自然に破れるか、または切開することにより膿が排泄される。
膿の排泄によりそのまま治癒してしまう場合もあるが、膿の通った道が残ってしまうことがあり、この状態のことを「痔ろう」という。
男性に多い痔で、ストレスやアルコール摂取による下痢などが原因であると考えられている。

裂肛

硬い便の排泄や下痢によって肛門が切れ、慢性化すると潰瘍になることがあります。女性に多い痔です。

痔核の治療

痔核には内痔核と外痔核があり、症状の程度によって治療の仕方が変わります。
内痔核・外痔核ともに、保存療法(生活環境を整える・薬の内服や座薬等を用いる)、外来処置(輪ゴム結紮療法・ジオン注射療法など)による治療が基本ですが、それでも治療が困難な場合は手術を行います。
手術を必要とするのは、痔核の患者さんの1~2割程度です。

内痔核の治療について

保存療法

痔核の脱出や痛みを伴わなず、排便時に出血をすることが多いといった軽度の症状の場合は、生活習慣の改善や薬の内服による治療を行います。

外来処置

排便時に痔核が脱出するが自然に戻るという状態では、外来処置を行います。

★ジオン注射療法
「脱出を伴う内痔核」にジオンという薬を直接注射投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。
知識や熟練した技術が必要なため、四段階注射法という手技を収得した専門医にのみ施行許可が与えられています。

★ゴム結紮療法
痔核の根元にゴム輪をかけて、徐々に締め付けて痔核を脱落させます。1~2週間で痔核は取れます。
傷も残さずに処置が出来ます。痔核の大きさやできた場所によっては処置が不可能な場合もあります。

手術

痔核が脱出し指で押し込まないと戻らない、または押し込んでも出たままの状態になるような場合には手術をすることがあります。
また、痔核の程度や症状、位置によって、以下のジオン注射もしくはゴム結紮を使うことがあります。

★結紮切除術

痔核に血液を送っている血管を縛り(結紮)、痔核を切り取る手術です。痔核を切除したあとの傷口をそのまま開放しておく「開放法」と、その後に傷口を縫ってしまう「半閉鎖法」があります。
当院では、日帰りで行っております。

治療費の目安

健康保険利用の場合、3割負担で2万円前後になります。


外痔核の治療

外痔核の治療は、保存療法が基本です。
食生活やライフスタイルを改善して、痔の症状をそれ以上悪化させないようにするほか、薬の内服や座薬などを併用する場合もあります。
なお、状態によっては下記のような外来処置を行います。

外来処置

★血栓除去術
肛門の周辺に血栓(血の塊)が出来て、腫れや痛みがひどい場合に、取り除く処置を行います。

痔ろうの治療

肛門の皮膚と直腸粘膜のつなぎ目の弱い部分(歯状線)から下痢などが原因となり細菌が入り込み、肛門の周囲に膿が溜まった状態を肛門周囲膿瘍といいます。
この膿瘍が自然に破れるか、または切開することにより膿が排泄されます。
膿の排泄によりそのまま治癒してしまう場合もありますが、膿の通った道が残ってしまうことがあり、この状態のことを「痔ろう」といいます。

肛門周囲膿瘍は、腫れている部分を切開し、膿を出します。
また、ろう菅が残って痔ろうになった場合は根治術を行います。
痔ろうは、ろう菅の伸びる方向によって4種類に分類されますが、もっとも多いのは「低位筋間痔ろう」と呼ばれるもので、痔ろうのほぼ6割を占めます。
この場合の手術の方法は種類や位置によって選択しますが、いずれの場合でも日帰りでの手術になります。

治療費の目安

健康保険利用の場合、3割負担で3万円前後になります。

裂肛の治療

原因となる便秘や下痢を防ぎ、傷を治す保存療法が基本となります。
慢性期で、肛門括約筋が炎症を起こして肛門が狭くなってしまった場合には手術を行います。
手術を必要とするのは、裂肛の患者さんの1割程度です。

手術

★内括約筋側方皮下切開術
肛門の皮膚からメスを入れ、狭くなった内括約筋を浅く切開します。これにより肛門が広がって肛門の皮膚は切れにくくなり、痛みも和らぎます。

痔で悩まないために

痔の治療の基本は「生活習慣の改善」です。
日常生活では、次のことに充分気をつけましょう。

排便について

  • 便意を感じたらがまんせずに排便する。
  • 排便時間は長くても3分以内に、また必要以上にいきまないようにする。
  • 排便後は肛門を清潔にする。

食生活について

  • 便の量を増やし、腸の蠕動運動を高めるために食物繊維を多く摂る。
  • 水分を充分に摂る。
  • 胃腸の活動を活発にするためしっかり朝食を摂る。