鼠径ヘルニアの日帰り手術
鼠径ヘルニアの手術方法には、腹腔鏡下手術と直視下手術(鼠径部切開法)と大きく分けて2つの方法があります。腹腔鏡下手術は傷口が小さく、術後の痛みが少ない、回復が早いなどの利点があるとされています。 直視下手術は、熟練した技術が必要ですが、手術時間が短く、比較的安価に済むというメリットもあります。直視下手術は手術創が大きいと言われておりますが当院での手術は切開創が2~3cm程度と小さな傷で行っております(一般的には5~7cmと言われております)。 当院ではいずれの手術にも対応しております。
当院の手術方法
腹腔鏡下手術
メリット
- 傷口が小さく、術後の痛みが少ない
- 回復が早く、社会復帰が早い
- 手術の傷跡がほとんど残らない
デメリット
- 手術時間がやや長くなる傾向がある。
- 直視下手術に比べ費用が高額
- 抗凝固薬等の出血リスクが高い薬を内服している場合は向かない
直視下手術
メリット
- 熟練した技術が必要なものの、手術時間が短く深い全身麻酔がかけられない超高齢者でも手術が可能である
- 体表からの手術で手術操作による大きな出血のリスクが無いためなので血液がサラサラになる薬を飲んでいるなど、出血リスクの高い方でも薬の中断をせずに手術が可能
- 腹部の手術既往があっても手術可能でどんな患者様でも対応できる
- 腹腔鏡手術に比較し安価である
デメリット
- 術後、傷口およびその周囲の痛みが腹腔鏡手術に比較して強い
- 回復にかかる時間が腹腔鏡手術に比較してかかる
ではどちらの手術が良いの?
ほとんどの方はどちらの手術でも鼡径ヘルニアを治すことは可能ですが、腹部の手術をされたことのある方、心筋梗塞や脳梗塞などで血液が固まりにくい薬を飲まれている方、高齢者の方等は軽い麻酔でかつ短時間で済む直視下手術をお勧めします。
なるべく痛みが少なく、傷が小さきことを望まれるのであれば腹腔鏡手術をお勧めします。現在手術のトレンドはほとんどが腹腔鏡下手術となっており、開腹手術に比べ痛みが少ないとされています。
しかしながら痛みの感覚に関しては個人差が非常に大きいもので、痛くないと思って腹腔鏡で手術をしたのに案外痛かったという方もいらっしゃいます。
当院では直視下手術、腹腔鏡手術ともに創部に麻酔をして帰っていただきますので、術後内服の鎮痛剤を飲むだけで動くことは十分可能です。
当院では帰宅時に内服の鎮痛剤に加えレスキュー用の座薬を処方しますが、座薬を使われる方は年間2%以下でした。
当院では直視下、腹腔鏡下いずれも日帰り手術で行っておりますので、どちらの手術で行うかはご相談いただければ個々の状況についてご相談に乗りますのでお申し付けください。
手術の流れ
Step1術前検査
手術はいくら小さなものでも人の体にメスを入れるものです。御本人の持病、既往症、血液データー、心電図による心臓の状態などを把握しておく必要があるため、お話を伺わせていただき、次に挙げる検査を行います。 採血検査:貧血の有無、基礎疾患の有無、感染症、血液のかたまりやすさ、血液型などについて調べます。
胸部X線検査:肺疾患の有無につき調べます。
心電図:心臓の異常、不整脈の有無などについて調べます。
Step2手術前日
ご自宅で患部周辺の剃毛をお願いします。手術前日は21時までに夕食を済ませてください。飲水は就寝まで可能です。飲酒はお避け下さい。
Step3手術当日
朝起きて飲食はしないでください。胃の中に飲み物や食べ物が有ると麻酔をかけるときに支障をきたす場合があります。 コンタクトレンズ使用の方はメガネを使用してください。朝来院していただき受付後、病室に案内され、点滴を行います。 その後医師から手術の手順等の説明があり、十分納得いただいた後、承諾書にサインを頂き手術室に入ります。
Step4手術室で
手術台で横になった後麻酔準備の注射を肩にした後、心電図、自動血圧計、酸素モニターなどの器械が身体に取り付けられ麻酔の準備を行います。酸素マスクをした後、医師の合図とともに麻酔薬が点滴内に注入され眠くなります。 次に目が覚めたときには手術は終わっています。病気の程度などにより異なりますがおおよそ一時間前後で手術は終わります。 目が覚めるとすぐに歩行 可能となり自力歩行で病室へ帰ることが可能です。
Step5術後
術後しばらく病室で休んでいただきます。この間、飲水や軽食は可能です。しばらく経過を見た後、 創部の確認をいたします。出血等の問題が無ければ帰宅 可能 です。
Step6帰宅時
抗生剤、鎮痛剤等の薬とともに夜間緊急連絡用の医師直通電話番号をお 渡しします。帰宅後気になることや、困ったことがあれば遠慮 なく連絡してください。電車やバスの乗車、車の運転 はお 控えいただき、タクシー等でお帰りください。夕食は飲酒をしなければ特に制限はありません。
費用比較
直視下手術 | 腹腔鏡下手術 | |
---|---|---|
3割負担 | 5万円前後 | 11万円前後 |
1割負担 | 1万7千円前後 | 3万7千円前後 |
ただしこれらの額はそれぞれの年収により高額療養費制度を使うことで8万5千円、5万7千円、3万5千円程度に抑えられる場合があります。