肛門外科

肛門とは

肛門の構造について

  • 歯状線:直腸(粘膜)の肛門(皮膚)の境目です。
  • 肛門陰窩:歯状線のところにあるくぼみです。
  • 括約筋:肛門を閉じる働きをする筋肉です。内括約筋と外括約筋がある。
  • 肛門のクッション:網目状に広がった血管があり、弾力性に富んだ部位です。

肛門の機能

肛門は消化管の終点となる器官で、排便に関する機能をコントロールしています。
口から摂り入れられた食べ物は胃と小腸で消化・吸収され、残った不要物が大腸で便となって肛門に届けられます。肛門はその便が無意識に漏れ出ないよう出口を締めながら貯留し、やがて便意をもよおした際に出口をゆるめて体外へと送り出します。肛門はこうした一連の働きを機能させるためにとても複雑かつ繊細な構造をしており、それにより便とガス(おなら)を区別したり、便の硬さや太さを感じ取ったりもしながら、周りを囲む括約筋によって状況に応じた収縮と弛緩を繰り返しています。
しかし、こうした肛門の構造や働きのどこかに何ら

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痔の種類

いぼ痔(痔核)

痔のなかでもっとも多い症状。 便秘、下痢、飲酒、冷え、辛い食事、いきみの繰り返しなど肛門に強い負担がかかることで、肛門を閉じる役割をするクッション部分が腫れ、出血をしたり、大きくなると肛門から脱出する病気です。いぼ痔(痔核)には、 直腸側のクッションが大きくなった内痔核と、肛門部分のクッションが大きくなった外痔核とがあります。内痔核は、一般的に痛くありません。外痔核は腫れると痛みを伴います。

切れ痔(裂肛)

硬い便の排泄や下痢によって肛門が切れ、出血や疼痛を伴います。慢性化すると治りづらくなり、潰瘍形成や肛門ポリープを作ることがあり、更に悪化すると肛門狭窄を起こし、手術を必要とすることがあります。初期のうちに治療を行えば、適切な薬や食事指導で治めることが可能です。比較的若い女性に多い痔です。

あな痔(痔ろう)

肛門の皮膚と直腸粘膜のつなぎ目の弱い部分(肛門陰窩)から下痢などが原因となり細菌が入り込み、肛門の周囲に膿が溜まった状態を肛門周囲膿瘍と言います。 この膿瘍が自然に破れるか、または切開することにより膿が排泄されます。 膿の排泄によりそのまま治癒してしまう場合もありますが、膿の通った道が残ってしまうことがあり、この状態のことを「痔ろう」と言います。 男性に多い痔で、ストレスやアルコール摂取による下痢などが原因であると考えられています。

痔核の治療

痔核には内痔核と外痔核があり、症状の程度によって治療の仕方が変わります。 内痔核・外痔核ともに、保存療法(生活環境を整える・薬の内服や座薬等を用いる)が基本です。内痔核はその進行度合によって治療方法が異なります。保存療法で症状が改善しない場合は、外来治療(輪ゴム結紮療法・ジオン注射療法など)、それでも改善しない場合は手術を行います。 外科手術を必要とするのは、痔核の患者さんの1~2割程度です。

内痔核の治療について

保存療法

痔核の脱出や痛みを伴わなず、排便時に出血をすることが多いといった軽度の症状の場合は、生活習慣の改善や薬の内服による治療を行います。

外来治療

排便時に痔核が脱出するが自然に戻るという状態では、外来治療を行います。

ジオン注射療法

ジオン注射療法頻回に出血する内痔核や脱出を伴う内痔核、外痔核成分の大きくない内外痔核に対して行われる治療法です。ジオンという薬を直接内痔核に注射投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。 知識や熟練した技術が必要なため、四段階注射法という手技を収得した専門医にのみ施行許可が与えられています。

ジオン注射+結紮切除術(E on ALTA)

内痔核と外痔核、両方を発症しているケースに用いられるハイブリッド手術です。内痔核にはジオン注射、注射の効かない外痔核には切除を行うことで、両方のメリットを同時に実現します。切除する範囲が小さくすることも大きなメリットです。根治性の高さはもちろんですが、術後の痛みと出血も抑制できます。当院では日帰り手術で行っています。

ゴム結紮療法

ゴム結紮療法痔核の根元にゴム輪をかけて、徐々に締め付けて痔核を脱落させます。1~2週間で痔核は取れます。 傷も残さずに処置が出来ます。痔核の大きさやできた場所によっては処置が不可能な場合もあります。

手術

痔核が脱出し指で押し込まないと戻らない、または押し込んでも出たままの状態になるような場合には手術をすることがあります。 また、近年では下記の結紮切除とジオン注射を組み合わせ、切除範囲を小さくした手術が主に行なわれようになり、患者さんの負担が軽減しております。

結紮切除術

結紮切除術痔核に血液を送っている血管を縛り(結紮)、痔核を切り取る手術です。痔核を切除したあとの傷口をそのまま開放しておく「開放法」と、その後に傷口を縫ってしまう「半閉鎖法」があります。 当院では、日帰りで行っております。

治療費の目安

いぼ痔の手術費用は、症状や麻酔の方法などにより異なってきますが、ご参考までに目安の金額をご紹介します。なお、健康保険が適用されますので、3割負担の場合の費用をご紹介しています。

ジオン注射(ALTA療法) 約15,000円
ジオン注射+結紮切除術(E on ALTA) 外来の場合 約18,000円
入院(1日)の場合 約26,000円
結紮切除術 外来の場合 約17,000円
入院(1日)の場合 約25,000円
肛門ポリープ切除術 外来 約4,000円

外痔核の治療

外痔核の治療は、保存療法が基本です。 食生活やライフスタイルを改善して、痔の症状をそれ以上悪化させないようにするほか、薬の内服や座薬などを併用する場合もあります。 なお、状態によっては下記のような外来処置を行います。

外来処置

血栓除去術

肛門の周辺に血栓(血の塊)が出来て、腫れや痛みがひどい場合に、取り除く処置を行います。

痔ろうの治療

肛門の皮膚と直腸粘膜のつなぎ目の弱い部分(肛門陰窩)から下痢などが原因となり細菌が入り込み、肛門の周囲に膿が溜まった状態を肛門周囲膿瘍と言います。 この膿瘍が自然に破れるか、または切開することにより膿が排泄されます。 膿の排泄によりそのまま治癒してしまう場合もありますが、膿の通った道が残ってしまうことがあり、この状態のことを「痔ろう」と言います。

肛門周囲膿瘍は、腫れて痛みが強いので、来院当日に切開排膿をします。排膿により激しい痛みは軽減します。その後、切開をした創部の経過観察を行います。不幸にも膿の通り道が残ってしまった場合、痔ろうの根治手術を行います。
痔ろうの手術方法は、痔ろうの位置、深さなどにより異なります。それぞれの手術方法は病態により適切に選択されます。いずれの手術も日帰りで行っております。

手術

瘻管切開開放術

瘻管を切開し、そのまま縫合せずに瘻管を解放する手術です。lay open法とも呼ばれています。肛門後方部であれば、括約筋を切除しても肛門機能に問題はありません。根治性が高く、約1~2%の再発率であり、浅い単純痔ろうに適しています。日帰り手術が可能です。

括約筋温存術(くりぬき法)

括約筋を切断せずに、できるだけ温存するように行う手術です。くりぬき法と言って、瘻管だけをくりぬく方法があります。日帰り手術が可能です。

シートン法

瘻管の原発口から二次口へ輪ゴムや紐状の医療器具を瘻管に通して、徐々に縛っていくことで瘻管と肛門括約筋を徐々に切開していく治療法です。肛門の変形が少ないのが特徴です。瘻管と肛門括約筋は時間をかけてゆっくりと切れていきますが、最初に切られた肛門括約筋の切り口から治癒が進んでいきます。輪ゴムは1~2週間間隔で縛り、締め直した時に多少の痛みや違和感がしばらく続きます。日帰り手術で受けることが可能です。瘻管の深さや長さによって治療期間は異なりますが、数か月程度が目安となります。

全瘻切開開放術+くりぬき法

瘻管切開解放術とくり抜き術(括約筋温存術)を組み合わせた手術方法です。外側はくり抜き術で瘻管を切除し、肛門括約筋部分は切開開放術を用いて瘻管を開き、括約筋を寄せるように縫合します。痔ろうの方向に関係なく行えることも大きな特徴であり、積極的におすすめしている方式です。日帰りで受けることできます。

治療費用について

痔ろうの手術費用は、症状や麻酔の方法などにより異なってきますが、ご参考までに目安の金額をご紹介します。なお、健康保険が適用されますので、3割負担の場合の費用をご紹介しています。

肛門周囲膿瘍 外来手術 約7,500円前後
単純痔ろう 入院(1日)手術 約20,000円
複雑痔ろう 入院(1日)手術 約32,000円

裂肛の治療

原因となる便秘や下痢を防ぎ、傷を治す保存療法が基本となります。 慢性期で保存的用法でどうしても治らず、肛門が狭くなり排便が困難になった場合や、肛門にできたポリープがどうしても気になる場合には手術を行います。 手術を必要とするのは、裂肛の患者さんのごく一部です。

手術

用手肛門拡張術

肛門括約筋が過度に緊張して激しい痛みを起こしているケースに行われます。麻酔をした上で指を使って肛門を拡げ、肛門括約筋の過度の緊張を緩めていきます。日帰り手術で受けられます。

裂肛切除術、肛門ポリープ切除

慢性化した切れ痔が深い溝のようになっており、保存t療法では治りにくいケースに適した方法で、日帰りで受けていただけます。裂肛切除術で切れ痔を切除しますが、肛門ポリープや見張りいぼも同時に切除可能です。

皮膚弁移動術(SSG)

線維化・瘢痕化した部分を裂肛切除術で切除しますが、それによって生じた欠損部分に近くの皮膚を移動させ、覆いかぶせる手法で、日帰りで受けられます。狭くなっていた肛門が改善されで、慢性切れ痔自体の症状もよくなっていきます。

治療費用について

切れ痔の手術費用は、症状や麻酔の方法などにより異なってきますが、ご参考までに目安の金額をご紹介します。なお、健康保険が適用されますので、3割負担の場合の費用をご紹介しています。

肛門ポリープ切除術 外来 約4000円
裂肛根治手術 入院(1日) 約20000円
肛門形成手術 入院(1日) 約25000円

痔で悩まないために

痔の治療の基本は「生活習慣の改善」です。 お尻の血流が悪くなり、肛門がうっ血すると痔が悪化します。
日常生活では、次のことに充分気をつけ、痔を悪化させないようにしましょう。

排便について

  • 便意を感じたらがまんせずに排便する。
  • 排便時間は長くても3分以内に、また必要以上にいきまないようにする。
  • 排便後は肛門を清潔にする。

食生活について

  • 便の量を増やし、腸の蠕動運動を高めるために食物繊維を多く摂る。
  • 水分を充分に摂る。
  • 胃腸の活動を活発にするためしっかり朝食を摂る。
  • アルコール、香辛料を控える。

生活習慣について

  • 長時間同じ姿勢で座り続けないようにする。
  • 適度な運動をする。
  • 冷えを避ける。
  • 入浴し身体を温める。

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